
笹原亮が綴るベトナムの職人芸
100人百職
APEXベトナムスケッチ提供
職人No.011
英・独車専門バイク修理屋
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若いときはいろんな仕事をしたが、バイクが好きで、ずっとバイク関係の仕事をしたいと思ってた。そこである日、修理屋に弟子入りしたんだ。
7年修行して独立、それ以来40年以上、ずっとこういうバイクを直してきた。もう79歳だから、普通はのんびり余生を送るんじゃろうが、バイクをいじっているほうが楽しいんで止められない。 昔はホンダのバイクなどなくて、ロイヤルエンフィールドやBSA、ノートンといった英車、ハレーやBMW、それからチェコのバイクが主流だった。ベトナム人、フランス人、インド人などが乗り回してたもんだ。 いまじゃあベトナム人のオーナーは珍しいね。みんな生活のためにバイクを使うから、こういうお金のかかるバイクには乗らないんだ。だからお客は日本人やフランス人が多いよ。 昔はオレもBMW R-55を持っていた。それでよくメコンデルタに出かけたもんだ。85年の解放記念行事では、モータークラブのメンバー40数人を引き連れて、先頭で旗を持って、ハノイまで行ったこともあるよ。 年をとったんで、94年にモータークラブを辞めた。その時R-55も売ってしまったが、今でも一番好きなバイクだな。水平対抗で力があるし、スピードも出るからね。 子どもは8人。末っ子がなかなか腕のいい修理工だったんだが、95年に水の事故で亡くなった。生きていれば、この店でバリバリやっとったんだが。三男は市内でバイク修理をしているが、後の子どもたちはバイクとは関係のない仕事だね。 毎朝6時には店を開けて、夕方4時半ごろまで仕事をする。それから食事をしてテレビを見て、8時半には寝ているよ。 楽しみはばあさんと二人でバスに乗って寺に詣でることかな。タイニンやニャチャンの方まで出かけることもある。メコンデルタは食べ物が美味しいので、一番のお気に入りだ。また今度ゆっくり出かけてみたいもんだね。 【文・構成 : 笹原亮(ジャアク商会)】
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