笹原亮が綴るベトナムの職人芸

100人百職

APEXベトナムスケッチ提供

 

職人No.016

鋳物職人

 

 写真はね、砂型を作っているところだよ。これに銑鉄を流し込んで製品を作るから、型の精度はすごく大切なんだ。
 オス型を砂箱の中に入れて、上から砂をかぶせて圧縮する。その後抜き取る時にぶれないように抜くのが腕さ。腰を使って持ち上げるから、腰を痛めるヤツも多いよ。

 できあがった砂型に銑鉄が流し込めるように、相棒が細工をする。
 この仕事はいつも男女2人1組で、給料も組に対して払われるんだ。それをどう分けるかはそれぞれの組に任されてる。
 半々に分ける所もあれば7対3の所もあるってわけさ。オレんとこはオレの取り分が少し多いよ。
 それで揉めるヤツらもいる。だから夫婦で組になっているのも多い。そうすりゃあ分ける必要はないからね。

 高校を卒業してから、2年くらい仕事を学んだ。それから他の工場で働いて、4年前にここに来た。毎日ガスレンジの部品を作ってるけど、いまでもうまくなっていくのが分かるから、楽しいよ。

 小さなやけどはあるけど、この工場では大きな事故はないね。工場のシステムがしっかりしていて働きやすいのが原因かな。
 社長は時々現場にやってきて、オレたちと一緒に働く。だから現場のことがよく分かってるんだな。一番危ないのは、銑鉄の扱い。何しろすごい高温だからね。事故があると命に関わるから、とにかく安全第一さ。

 休みの日に、縫製工場で働く嫁さんと子供を連れて、ダムセン公園やウォーターパークに行くのが楽しみだね。本当はもっと遠いところに行ってみたいんだけど、社員旅行で海に行くくらいが精一杯。だから観光バスの運転手になるのもいいな、なんて思うこともあるけど、それは思うだけ。この仕事を辞める気はないんだ。

【文・構成 : 笹原亮(ジャアク商会)】

 

アジアの中心 ジャアク商会のホームページはこちら

(c) copyright 2003
Ryo Sasahara & Jya-Aku Corporation
All rights reserved

笹原亮&三日堂、
そしてジャアク商会への声援、激励、連絡はこちらへ

ジャアク商会総本部

誤字・脱字があればご連絡を