*

笹原亮が綴るベトナムの職人芸

100人百職

APEXベトナムスケッチ提供

 

職人No.37

洗濯屋 兼 服直し屋

 

 サイゴンに出てきて、最初は縫製工場で縫子をしていた。田舎にいた頃から独立したかったんだけど、何をしたらいいのかわからなくてね。

 バイクの修理屋で働いている時に、知り合いがやってる洗濯屋が流行っているのを見て、ピンときた。そいつは家庭用の洗濯機を路上に出してるだけなのに、すごく忙しそうなんだよ。

 それでオレも洗濯機を買って始めたんだけど、家庭用のじゃ小さいし、力も弱い。だから自分で図面を引いて特注した20kg洗える洗濯機を使ってるんだ。それで1日○○kgくらい洗うよ。洗濯代は1kgにつき3,000ドンさ。

 この店は大通りに面してるから受付窓口さ。実際の作業はちょっと離れたところに借りているもう少し広いところで妻が仕切ってるんだ。洗濯機の他に乾燥機も置いてあるよ。
 オレはここで受付をしてるけど、それじゃあ閑なんで、何かできないかと考えて、服の直しを始めたんだ。

 最初はテーラーもいいかなって思ったんだけど、今は既製服を買う人が多いから、そのサイズを直す方がいい。それで洗濯屋と兼業させてるってわけさ。今じゃあ1人じゃさばききれなくて、縫子2人、洗濯にも2人雇ってるんだ。

 洗濯も服直しも、急ぎは1日。普通は3日くらいで終わらせる。洗濯で難しいのは、色落ちしたり、その色が他の服に付いたり。間違って他人の服を渡しちゃうこともある。いい服だと、気づいても戻してくれない人もいてね、そんなときは弁償するしかないね。

 服直しは、元のデザインが変わらないように気をつけている。例えばズボンを細くするとしても、全体のシェイプが変わらないように気をつけないと、元のズボンと全然違うものになっちゃうだろ? それじゃあまずいよね。

 2つの仕事を夫婦でこなして、月に800万ドンくらい残る。今は借家住まいだけどビンユンに土地を買ってあるから、そこに家を建てて店を移してもいいね。あるいはそれは売っちゃって、この辺に家を買ってもいい。その辺はまだあまり深くは考えてないんだ。

 いずれにせよ従業員を10人くらい使うような、もっと大規模な事業にしていきたいと思ってるんだ。

 

【文・構成 : 笹原亮(ジャアク商会)】

 

アジアの中心 ジャアク商会のホームページはこちら

(c) copyright 2004
Ryo Sasahara & Jya-Aku Corporation
All rights reserved


笹原亮&三日堂、
そしてジャアク商会への声援、激励、連絡はこちらへ

ジャアク商会総本部

誤字・脱字があればご連絡を