特別越馬混合部隊
サイゴンホッパーズ
ベトナム北部走破計画異聞

by ジャアク商会ベトナム支局員 笹原亮

 

episode 10

北部の人たち

 ディエンビエンフーまではタイ族の多く住むエリアを抜ける。道ですれ違う人のほとんどが、大人も子供も手を振ってくれる。バイクに乗ったまま手を振り返すと大喜びだ。
 女の子がはっとするほどかわいい。ほんの一瞬、顔を見るだけだが、好奇心で輝いた目が印象的だ。タイ族は目の細い子、目の大きな子、色の黒い子、真っ白な子と、いろんなタイプの美人がいる。そのままバイクの後に縛りつけて連れ去りたいと何度も思ったそうだ。

 マイチャウの手前で川に降り水を浴びた。川にはすでに水牛と少数民族の子供たちが水を浴びている。一緒になって水を浴び、川からあがると子供たちがバイクの周りに集まってくる。
 後からひとり女の子がやってきた。彼女は外国人の注目を集めたかったのか、いきなり水牛の背に立ち上がって見せた。
 サパは黒モン族が多いが、観光客なれしているので、外国人の顔を見ればおみやげを売りによってくる。町を離れればそうでもないのかもしれないが、バイクで周辺をさっと走っただけなので定かではない。

 バイクで走って、川のほとりで休んでいたら、橋向こうの家から酔ったおやじが数人出てきた。少数民族らしいおやじはつつましく向こう岸で水を浴び、家に戻ったが、ベトナム人らしきおやじはわざわざ橋をわたって近づいてくると、バイクに触り、話しかけ、3人の目の前で水を浴び、握手を求めて去っていった。
 今回の旅で出会ったワースト1のおやじだそうである。

 サパからの帰路は花モン族、ザオ族のエリアだ。この道も手を振りながら走る。村の広場で、集団ダンスの練習をみたり、学校帰りの子供たちに囲まれたりしながらギアローという村にたどり着いて昼食。客は逆方向へ向う外国人が2グループとザオ族の兄ちゃんたち。彼らは器用に頭に布を巻きつけ、食後の水タバコをふかしている。
 なぜか外でずっとホッパーズを見ている花モン族の女の子がふたり。食事を終えてもまだいるので、最後には写真を撮ったり、アイスクリームをご馳走したり。他の少数民族は2、3分、メンバーを観察していなくなるが、そのふたりはメンバーが立ち去るまでずっと店の前を離れなかった。

続きはepisode 11 へ

 

 

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