はがまき+びり

おいしいチャーハン

 

 

 アジアの旅人がアジアを旅するとき、食事に困ることはない。どこに行ってもごはんがあり、魚があり、野菜がある。とりわけ東南アジアではどんなにマスプロダクツのファーストフードが進出しようとも、まだまだ庶民の台所、屋台で食べるごはんは健在だし、安くてうまくておなかがいっぱいになる。

 とりわけ炒めごはん、すなわちチャーハンはどの国でも市場飯の王様である。じゅうじゅう香ばしいお焦げを、はふはふかきこむ石焼きビビンパブ、半熟の目玉焼きをとろりとくずしながらいただくバリのナシゴレン、ぱらぱらごはんとナンプラーの香りがくせになるタイのカオ・パッ。熱い国ほど炒めごはんがうまい。ねっとりとした熱帯の空気の中でじっとり汗をかきながらおっさん達と市場でかきこむアジアごはん。体の中を熱い風が通り過ぎていく。

 そもそも白いごはんを主食にしてきたアジアの国々に、炒めごはん文化をもたらしたのは世界の食文化に大いに貢献してきた中国人だろう。それが各地固有の食文化や調味料により形を変えながら根づいてきたに違いない。日本のチャーハンだって、納豆チャーハン、カレーチャーハンと独自の進化をとげている。中国人もびっくりだろう。

 にんにく、しょうが、長ねぎをみじんに刻む。かんかんに熱く白い煙をあげている中華なべ。じゃっという大きな音に香味野菜の匂い。中華なべを振る。米が踊る。プロが作るチャーハンは、その動きや音までごちそうだ。

 おいしいチャーハンを作るにはまず火力だ、ごはんは冷や、材料は大きさをそろえてと、巷の料理の鉄人たちはかしましい。
 が、貧乏学生が一口コンロで作る具の無いチャーハンも、洋風ピラフなんて気取った顔した喫茶店のチャーハンもどきも、日本に生まれ日本で食するチャーハンであればこそ、おいしさに優劣はない。
 おいしいチャーハンは、むしろ作り手より食べ手により作られるものなのだ。

アジアの中心 ジャアク商会のホームページはこちら

(c) copyright 1999 ジャアク商会
All rights reserved.


旅行記の投稿は、ぜひとも

ジャアク商会

ジャアク商会総本部

までお寄せください。

短いものでもかまいません。
ご希望であれば、こちらで修正も可能です。