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アジアの国々にはあまり興味がなかったという菅沼氏。それでもこの地にやってきたのは、 「日系企業が多数進出していて日本人セールスマンの需要もまた多いと思ったから。経済的にも中国やベトナムを中心にダイナミックに活動し、これからの市場だと思った」 らしい。いま働いているタイという国も、本心を言えば好きではないという。 ![]() 「世界中を見渡しても、日本ほど生活環境が充実している国はないと思います。悪く言う人は最近多いけど、不便もないし、これほど暮らしやすい国はないですよ」 しかし、東南アジアはその逆で、いくら成長が進んでいるといっても日本の比ではない。道路交通網は整備されていないし、物価は安いがクオリティもそれだけ低く、ビジネスも非合理的だ。これらはあくまでも日本と比べての話だが、世界の先端を行く国で暮らした人間としては満足できる環境ではない。 「海外は実力社会。コネや学歴を捨て去った自分がどこまでやれるか試したかった」 これまで彼は何度も転職したが、会社はすべて外資系か海外に事務所を持つ国際企業だった。それも実力主義の環境に身をおくよう努めた結果だが、今回は初めての東南アジア勤務だし、安易な本社出向ではなく現地採用での入社である。 「リスクはありました。でもホテルマンにとってそれはいい経験になるんですよ」 たとえば彼の場合、役職は日本で働いていたころより上がったが、給料は下がっている。実力と経験が考慮され、タイ人スタッフよりはるかにいい金額をもらっているものの、日本人の中堅サラリーマンとしては納得できる額ではない。 「それでもいいんです。経験を買ったんだと思ってますから。まだまだ勉強中の身ですよ」 東南アジア勤務をひとつのステップと考え、さらなる世界に目を向けている彼にとって重要なのは言葉より文化。働き初めて最初に戸惑ったのは、タイ独自の文化と慣習の違いだった。 「そこで立ち止まってはダメですね。海外勤務には精神的なタフさが要求されるし、それを身につけるためにも僕はここまで来たんです」 自分の能力開発のために異質な環境を環境を求める。そうやって仕事を探すのもひとつの方法だ。 |
プロフィールRYOJI SUGANUMA 1960年、神奈川県鎌倉市出身。 |
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