より実践的な社会勉強の場を求めて

MITSUI O.S.K.LINS.,LTD.
MARKETING SUPERVISER

山本 真史

 

 

 20歳になった時、当時大学生だった山本君はフト考えた。

「このまま大学にいてもいいのだろうか」

 これからの2年をどう有意義に過ごすかが自分の一生を決める。
 そう思った彼は、さらに在学して2年間学ぶよりも世界を旅してさまざまな人に出会ったほうが得るものが多いと考え、大学を中退し、海外に出た。

 そして世界各地を放浪したのち、日本で紹介されていた話を思い出してベトナムに赴き日本語教師になる。現在はその教職も退き、海運業を営む商社、商船三井のホーチミン駐在員事務所に勤務だ。

 同社は世界の海を行き来する船便の運行を管理するスケールの大きな会社。海外勤務だが、日系商社ということもあって社内での拘束時間は日本並み。彼は現地採用扱いなので、収入は日本での勤務に比べればはるかに劣る。
 それでも彼は、この職場に対して不満をもっていない。ベトナムがすっかり気に入った彼の夢は、この地で総合物流会社を起こすこと。そのためには、まだ現場で勉強することが必要だと考えているからだ。

「金を払って学校で勉強するよりも、こちらで働くほうがずっと自分の将来のためになる。授業料を払ってもいいくらいですよ。ベトナム人なんて、もっと安い給料でいい仕事をしているんですから」

 会社まではヤマハの125ccオフロードバイクで通っている。ワイシャツにネクタイ姿でオフローダーにまたがり、肩にはビジネスバッグ。日本では異様だが、まだ公共の輸送手段が発達していないベトナムでは、これが一般的な通勤スタイルなのだ。

 そして毎週日曜は、このバイクでホーチミン市周辺をツーリング。おかげで今ではベトナム人スタッフから道をたずねられるほど同市周辺の地理に詳しくなってしまった。
 このほか、週に2回は退社後に友人たちとテニスに興じているのだが、こうした余暇の充実度の高さもベトナムで働く楽しみのひとつと山本君は語る。

「忙しいけれど、自分だけの時間は十分に持てる。これがベトナム、いや海外で働く最大のメリットだと思うんですよ」

 そのほか、日本人が少ないから人間関係の煩わしさがないし、仕事がらみの妙なつきあいで疲れることもないのが気に入っているとか。
 もっとも、職場を貴重な勉強の場と考えている山本君にとって、仕事の疲れなど無縁のことではあるのだが。

 

 

プロフィール
MASAFUMI YAMAMOTO

 1970年、東京都文京区生まれ。
 東京大学を現役で合格するも、家が近いという理由で早稲田大学第一文学部に入学。しかもそこを、「人生を考え直すため」という理由で2年で中退し、アジア全域の放浪旅行に出発。
 1993年5月からベトナムで日本人学校の教師として教壇に立ち、現在は商船三井ホーチミン駐在員事務所でスーパーバイザー職に就く。

 

アジアの中心 ジャアク商会のホームページはこちら



当コーナー登場者への声援、激励
ご意見、お問い合わせはこちらへ

ジャアク商会総本部