クマプー山本+笹原亮の

雲南・ラオス紀行2

執筆 笹原亮

雲南編 その1
ハノイ−ラオカイ−昆明

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 そしていよいよ機上の人々となってハノイへ向かう。
 ノイバイ空港からハノイ駅に直行し、夜行のラオカイ行きのチケットを買う。
 日本なら、或いは他の国なら、当然HCMで予約しておくのだが、ベトナムではそんなことはできない。行って買う、しかないのである。
 行って買おうとしたら、なんと寝台はすでに売り切れ。ソフトシート(座席指定)もなく、自由席ハードシートしか残っていない。年に2度の休日(9月2日)を前に、多くの人が帰省のために移動するのだ。
 ハードシート向かい合わせ4人がけの席に、ベトナム人は6人座る。我々のところにも何度か
「座らせてください」
 ときたが、クマプーの横幅をたてにお断りする。我々は君たちの倍近い外国人料金を払ってるんだから、席くらい普通に座らせてね、お願いだから。
 固いシートにもたれ、ベトナム人学生に囲まれて、列車はラオカイに向けてひた走る。

 ラオカイ駅から国境までは1〜2km。バイクタクシーで5分ほどだ。
 銀行のカウンターのようなイミグレーションに並び、出国許可をもらう。20ドルもかかったはんこの威力か、何の問題もない。
 別室の税関はなぜか女性ふたりで、大変あいそうがいい。それでも荷物はしっかり調べる。実はバックの中に小さな木切れが入っている。知り合いが流木といって輸出しているもので、水槽に沈めて鑑賞魚の遊び場にするものだ。それを
「こんなのがラオスにあるかどうか、調べられたら調べてきて」
 と持たされてきたのだ。
 昔ラオスに行ったときに知り合った片言の日本語と片言の英語を話すおばちゃんのご主人は、たしか元政府高官で今はベトナムとの貿易を営んでいるはず。その人に会えれば調べられるかもしれない、と思ってあずかってきたのだが、これが香木だと疑われると話しがややこしくなる。伽羅や沈香などの香木は国外持ち出し禁止なのだが、税関員の知識が追いつかずとりあえず木片と見ると香木と疑う傾向があるので心配だ。しかしバックの底、奥深く突っ込まれた木片は発見されず何のお咎めもない。
 建物をでて目の前の国境の橋を渡る。何年か前にテレビ番組の仕事で真ん中まで行ったことがある橋を、今日は渡りきるのだ。
 橋の向こうで中国への入国手続き。特に問題なく通過する。
駅で汽車の時間を調べ、両替をし、朝食。橋を越えただけなのに料理はもう中華料理、しかも辛い辛い四川風だ。

食事(雲南編)

笹原亮(笹原): 昆明の南、ベトナムとラオスの国境付近を1週間ほどうろついたわけだけど飯は旨かったよね。

クマプー山本(クマプー):大別して辛い辛い地区と、油多め中華料理地区に分けられる。

笹原:  辛いんで米を食う量が増えた。

クマプー:だからやたらとトイレに行きたくなる。日に3度、普段の1日1回分より多い量がしっかりでる。

笹原:  移動のときがつらいよね。汽車はトイレ付きだからいいけど、バスはバス停でどのくらい停車するのかわからないし、目的地に着くまで我慢しなきゃならなかった。

クマプー:で、着いたらすぐに 「便所はどこですか?」って探しまわって。

笹原:  ツォソウ(便所)って言葉は必ず覚えないとだめだね。
あれ、ここでは食事の話しをしようと思ってたんだけど、トイレ話になってきたぞ。

クマプー:直結してるからね。

笹原:  話をもどすと、辛い飯はどこで食っても旨かった。何の変哲もない野菜炒めや魚の煮たのなんかなんだけどね。

クマプー:麺類や、ニクマンなんかも旨かったね。

笹原:  石屏から四双版納の方に行くときに峠を越えた。あれが辛い辛いと油多めの境目だったよね。

クマプー:油多めも旨いんだけど、毎回続くとなると辛い辛いだな。

笹原:  酒も土地ごとに焼酎があった。

クマプー:泉酒、土酒、谷子酒、なんてね。大体5〜6種類あるうちの高い方から2番目あたりを飲んだけど、まああんなもんだろうね。

笹原:  あの辺まで行くとビールより酒って感じになる。ビールも中国製のがいろいろあった。万力ビールとかね。

 駅でヨーロピアンのカップルに出会った。我々が日本人だと分かると、男の方が日本語で
「僕には日本人の血が流れている」
 という。日本で事故にあって輸血でもしたか、と思ってよく聞くと
「僕のおじいさんはジェネラル東郷、ジェネラル東郷知ってる?」
おいおい、日本人ならだれでも知ってるよ。
 汽車は夜行寝台の昆明行き。東郷孫と女友達は寝台車で昆明まで行くと言う。我々は昆明の手前、汽車の路線が西に向かって分岐するあたりの小さな駅(草と土偏に貝)で下車することにした。翌日その分岐線に乗るのに便利だと思ったからだ。到着は午後8時ごろ。だから寝台は買わずに、またまたハードシートの旅になった。

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