クマプー山本+笹原亮の

雲南・ラオス紀行5

執筆 笹原亮

雲南編 その4
石屏−元江−墨江−景洪

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 翌朝はちょっと早起きしてバスターミナルへ。片隅でいかさま博打に熱くなっている連中がいる。サクラなのか、結構な額の紙幣がやり取りされているのを見ていたら、出発時間になった。
 バスは山道を縫って高度を上げていく。景色が開けたなあ、と思ったら峠の上。GSでガソリン休憩だ。GSの手前で乗客全員が降ろされる。給油中に火のついたたばこを窓から投げ捨てる連中が後を絶たないため、GSでは必ず乗客全員を降ろすのだ、とはクマプーの談。中国に限らずベトナムでもタイでも窓からのポイ捨ては当たり前なので、さもありなんという話である。
 ここから先は渓谷沿いにずっと下りが続く。元江という街を過ぎ、墨江に入る頃に日が暮れてきた。中国は全土をバス路線が覆っていて長距離バスが多いので、寝台バスが発達している。バスの座席部分が2段ベットになっているのだ。ベットといっても幅はほぼバスの座席と同じなので、寝返りを打てるほどの余裕はない。起きている間もベットなので乗客は寝転がっているかあぐらをかいて座っているしかないのだ。
 しかし我々のバスは普通の座席のバスである。このまま夜通し走るのか? クマプーがチケットを買ったときおばちゃんが何やら言ったのは、どうやらこのことだったらしい。ということが分かっても現状は何も変わらない。8時になってもバスは走り続ける。晩飯停車もせずいったいどこまで行くのだろう。墨江の街もとっくに抜けて、周辺にはただ闇が広がるばかりだ。あわれ、空腹のまま眠れぬ夜を過ごすのか、とあきらめかけた頃、バスは道沿いの田舎ドライブインに停車した。
 やっと飯だと思いきや、実はここに全員宿泊するという。1部屋に10人ほどが詰め込まれ、蚊帳付き寝台が与えられる。ベットを確保してやっと食事だ。ちなみに食費はもちろん宿泊費も別料金である。食後はさっさと寝てしまう者、向かいのカラオケ屋に行く者、テーブルを囲んで酒を飲む者、各自それぞれだ。我々は地焼酎を買って飲みはじめた。ぽつりぽつりと人がいなくなり、とうとう我々だけになってしばらくすると、どうやら店じまいらしい。我々も蚊帳付き寝台に引き上げることにした。

 翌朝はまだ暗いうちに出発だ。出発時間に遅れる奴がいるんだろうと思っていたが、何故か定時までに全員がバスに乗り込んだ。睡眠十分の運転手はすっかり元気。プーアル茶で有名なプーアル(普+さんずいに耳)を経て、昼ごろ思茅に到着。すぐに景洪行きのバスを探す。昼間の移動だというのに景洪行きのバスは寝台バスだ。乗り込む乗客の中にはさっきのバスでいっしょで、昨晩は同じ部屋で寝た兄ちゃんも混じっている。
 チケットのナンバーによるとクマプーの席は私の隣なのだが、なぜか隣にはすでにおやじがごろりと横になっている。しかもこのごろりおやじ、とてつもなく腋臭が強い。口で息をして耐えようと覚悟を決めて、おやじに触れないように横になるが強烈な臭いで頭がくらくらする。ちょっと外の空気を吸いに行こう、とバスを降りようとしたら、すぐに出発だと車掌が止める。出発。車掌がチケット確認に回ってきて、正しい席におやじを動かしてくれた。クマプーが隣に移ってくる。中国ではうら若き女性のひとり旅も珍しくないので、たまたま寝台バスでそういうお姉さんと隣同士になって、さむーい夜にお互いちょっと暖まりあうなどという微笑ましい事件が起こらないとも限らないのだが、現実は腋臭おやじから逃れてクマプーで大満足である。
 途中の町でたくさんの乗客が降り、車内はだいぶ空いてきて和気あいあいの雰囲気になる。互いにお菓子や果物を勧めあい話しが弾む。昨晩同室だった兄ちゃんはビルマ人で、ビルマ国境の故郷へ帰る途中だという。今晩は我々同様景洪泊まりだそうだ。兄ちゃんが安くていい宿を知っているかもしれない、とヒソカに期待する。
 やがてバスは景洪に到着。バスは町中のバスターミナルではなく町の入り口の路上に止まった。どうやらここが終点らしい。兄ちゃんはバスの中で知り合ったひとり旅のうら若き女性を伴ってさっさとタクシーで消えてしまう。

クマプー:いいなあ兄ちゃんは、言葉が通じるといいことあるよな。

笹原:  あーあ、地元民お勧めの宿に泊まり損ねた。

 胸中にそれぞれの思いを募らせて、我々はローカルバスで街の中心に向かうのだった。

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笹原亮
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中国雲南地方の写真

 ホテルの部屋に落ち着いて、ベットに寝転がったら、窓をフレームにして椰子の木が見えた。
 なんだか風景画を見ているような気がした。
 レストランの奥の居住スペースでくつろいでいる女の子たち。
 夕食後はここに入り込んでビールを飲んだ。

 派手でかわいらしい民族衣装が目を引く。でも着ているのはけっこう年をとったおばさんである。  屋根で米や野菜を干しているだけなんだけど、ディスプレー感覚が目を引く一枚。
(注:この写真はラオスに入ってから撮ったのかもしれない)

 

 

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