ワット・リアッブとも呼ばれているこの寺には、日本人物故者のための納骨堂がある。 金閣寺を模して1933年(昭和8年)に造られたこの小さな納骨堂には、1895年(明治28年)以来、タイで亡くなられた日本人の霊が祭られていて、高野山から来られた僧が現在も管理を続けている。 本堂の釈迦如来像も1934年に名古屋の日泰寺から運ばれてきた鎌倉時代の木彫り座像とあって、なにかと日本人には縁の深い寺だ。
しかし寺全体を見ると、いかにもタイらしさあふれるギンギンに派手な装飾の施された寺になっていて、はたしてこれで保守的な日本人物故者の霊が静まるのだろうかと思えないこともないが、この混沌としたきらびやかさに魅かれてタイに住むことになった人たちだから、かえってとこのほうが心休まるのかもしれない。