女性の魅力を使って男性をホテルに誘い込み、スキを見て貴重品を盗んでしまうというという手口。
　引っかかる確立は高いし、スケベ心を突かれた男はあまり強気で警察に出向くことができない。なかなかいい作戦だ。

　お近づきの方法にはいくつかのパターンがある。

　土地勘のない外国人を装って道に迷ったふりをしている。そこにカモが通りかかると、地図を片手に、
「××ホテルはどこにありますか？」
　とたずねてくる。そのまま、
「時間があるので、あなたと御一緒させて」
　となる。

「わたしはアメリカ人を母に持つシンガポール人です」
　などと、混血外国人を装って近づいてくる。
　このテの女性は、
「目がクリッとしていて愛らしく、だれでも一度で参ってしまう」
　ような美人が多いらしい（が、大半は男）。

　いきなり、
「遊ばない？」
　と、大胆かつ積極的に声をかけてくる。スラリとしたスタイルの美女が多い（が、やはり大半は男）。

　車の中から、歩いているカモに向かって、
「ペンを貸してもらえませんか？」
　などと声をかけ、そこから話を進める（これも実は男ばかり）。

　女が車を持っている場合、男はその車に乗せられ市内観光のパートナーとなる。女には相棒がいることが多く、その女性が運転する。地理に疎い外国人がなぜ車を？　などという疑問は、このさいだれも持たないらしい。
　車がない場合はタクシーを使うこともあるが、この場合は運転手もグル。

　パターンとしては、この車内で巧みに体を引き寄せ、ポケットやウエスト・バッグの中から貴重品を抜くのが第一の手口。ひざの上には地図が広げられているし、ウブな男性の場合は、女性が加える陰部への無意識なタッチ（？）のおかげで犯行に気づかないらしい……なんて上品なことを言っているが、はっきり書くと、ポコーチンをなでなでしてもらっていい気持ちになるってこと。

　抜けなかった場合は、しばらく行くと無事ホテルが見つかる。
「わたしの部屋でちょっと休んでいきませんか？」
　などと言われて、女性が単独である場合は最終的に彼女のホテルに連れ込まれることになる。

　部屋に入ったカモはワクワクしていて　「No」　とは言えない。そして部屋に入るといきなり、
「マッサージしてあげます」
　などと言って服を脱ぎ、カモにも服を脱ぐようすすめ、ますますワクワク（女は全裸にならないらしい）。
「シャワーを浴びれば？」
　などと言われてそのとおりにすると、そのあいだに金を抜かれる。

　ここでも抜けなかった場合は、次のステージへと進む。
　シャワーを浴び、ワクワク気分で裸になって寝転がっていると、なぜか友人が部屋を訪ねてきて、「キャー、なに、この人！」　「ヒャー！」　などとなり、その場は混乱。
　カモは素っ裸でアタフタ。女が裸にならないのはこのときためか、あるいは女が女装の男性であるためだというが、それはどちらも当たっている。
　このドサクサにまぎれて、貴重品は消えてしまう。

　このほか睡眠薬入りジュースを笑顔ですすめられ、眠っている間にゴッソリということもあるとか。
　仲間は外からたずねてくることもあるし、ベッドの下に隠れていることも珍しくないとか。うーむ、気味が悪い。

　車を使ったこの手の犯罪は週末の土・日に被害が集中する。
　これは渋滞を避け、カモが被害に気づく前に逃走するためだ。
　計画はまさに計画的に練られている。

�@不必要に体をすり寄せてくる女性には注意する。冷静になろう。相手は男性かもしれない。

�A見知らぬ女の車には乗らない。土地勘がないと言うわりには、いざ走りだすとすいすい迷わず目的地に着くのだ。

�B見知らぬ人から勧められた飲み物は口にしない。パック入りドリンクやきちんと包んだキャンディもだめ（実例あり）。

�Cタダでいい思いができる、などという考えは捨てるべきだ。相手がほしいのは“カネ”だけだ。

藤井　これさあ、うまくいった例もあるんだぜ。女の誘いに従って車に乗って、スキを見せないままホテルに行って、スキを見せずにシャワーを浴びて、スキを見せずにマッサージさせて、そのままヤッちまったってやつを知ってるよ。出された睡眠薬入りドリンクも断固として拒否して、いわゆるヤリ逃げしてきた。

ブラ　そりゃいいね。

藤井　そしたら女が最後に、「おねがいだから500バーツください」　って哀願してきたって。

ブラ　あははは（笑）。ホントかね、それは。

１．美人は見知らぬ他人に声をかける必要性を持っていない。

２．セックスはタダではできない。