タイでの旅行トラブル集14

暴力ボートの旅

提供 ジャアク商会
藤井伸二+ブライアン

 

 最近はほとんど報告されないが、以前は王宮周辺の観光名所やチャオプラヤー川沿いの高級ホテル街でよく発生した。

 単純なヤツは、「1時間100バーツ!」 などと低料金で引き付ける。
 巧妙なヤツは、

@「イカサマ賭博師」 と似たような手口でまわりくどく接近し、信用を得てから 「ところでボートなどはいかが?」 と切り出す。

A「わたしは以前、日本人の世話になった。今日はその恩返しをしたい」 などと言い、いかにも好意に基づく無料奉仕のように見せかける。

B「飲み物でもいかが?」 と船着場近くの食堂に連れていき、飲み物をおごって安心させる。

以後の展開


 男の話術にたぶらかされてボートに乗ってみたくなる。
 その旨を告げると、「ひとりではあぶないからわたしがついていきます」 と言って男は船頭のところに行き、交渉する。なんの話をしているのか、わかったものではない。
 すると、思ったより安い料金で話がつく。この場で男が、「ワリカンにしましょう」 と言い、金を半分出して自分もボートに乗り込む。
 これがカモを安心させる手口だ。

 ボートに乗ると、いきなり強盗が始まることも多いが、たいていはどうにもならない川の中程に達するまで善人でいる。
 その後になって始まるのは、

「さあ、5,000バーツよこせ」 

 または、目的の場所とは違う怪しいところに連れて行き、「痛い目にあいたいか」 と威嚇する。
 抗議しても無駄で、「ガイド料だ」 とか 「貸し切りだから」 などと相手にもしてくれない。
 いつまでも払わないでいると本当に危険だから払うしかない(相手はピストルや刃物などの凶器を持っている)。助けを呼ぼうにもここは川の上だ。

 いちおう律義に観光名所を回ることもある。その場合は、「ガイド料をよこせ」  ということになるか、「これだけ見たら金を払う気になるだろう。わたしがいなければ観光できなかったのだから」 と逆に恩を着せるかのどちらかだ。

対策


@貸し切りボートは旅行代理店のデスクを通して乗る。

Aボートは自分たちだけで乗る。話しかけてきた男は絶対に乗せない。無理に乗り込もうとしてきた場合はボートを降りる。

B襲われないよう船頭を威嚇し続ける。しかし、そんなことをしていたのでは観光どころではない。


ブラ これは、ほとんど絶滅したんじゃないの?

藤井 ぜんぜん聞かないね。でもさ、俺なんかいつも思うよ、「このあいだまで平気だっけど、今日からヤバいんじゃないか」 なんてね。

ブラ それを言ったらすべてがヤバいけど、そういう意識を持ってるってのは大切なことだな。


このトラブルに対しての心得

1.身元不明のタイ人を何人も乗船させない。


 

暴力ボートはまだ暗躍しています。

2007年の被害レポートはこちら!

 

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